「映画ドラえもん のび太と空の理想郷」の感想とオススメ
子どもが春休みに入ったので、家族でドラえもんの新作映画を観てきました。いっぱい泣いてデトックスできたので感想とおすすめと、ちょっとだけネタバレを含んだ感想をまとめます。
映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)感想など
誰もがパーフェクトな自分になれて、争いのない幸せな世界。テストもない?!そんな理想郷が本当にあったら…。そんなユートピアを探しにいくことから、のび太たちの冒険が始まります。
様々な時代に行くことができる飛行船「タイムツェッペリン」で見つけたのは、誰もが完璧になれる理想郷「パラダピア」でした。
と、冒頭のここまででものすごくワクワクさせられます。いつメンたちが集まって、日常から冒険の世界へ旅立っていくワクワク感が満載で、自身の子供時代にドラえもんの映画で感じた興奮を思い出しました。
メインターゲットは子どもであっても、かつて子どもだった大人たちも楽しめる、というかむしろ大人ならばこそ考えさせられる作品だと感じました。
パーフェクト猫型ロボットのソーニャは、すごいかっこいいです。
子どももとても楽しく鑑賞していましたが、ジュースの飲みすぎでトイレに行きたくなってしまったようです。映画が始まる前の新作予告等の時間を含めると、けっこう長丁場になるので小さなお子さんは注意かもです。
すこしネタバレ?な感想
※直接的な表現は少ないですが、ネタバレ的な感想です。ご注意ください。
個性はユートピアにとって邪魔なのか
だれもが幸せで争いのない世界をつくるためには、個性は邪魔なのか?というかなり抉ったテーマがあるように感じました。個性があるから人はぶつかり、嫉妬したり、コンプレックスを抱いたり。
でも、その個性がなくなったらそれは「その人」なのか。みんなが同じになった世界は本当にユートピアなのか。
のび太たちが出した結論は「No」でした。パーフェクトじゃなくても、いっしょに笑って泣いてくれる。そんな友達がいる世界が楽しくて大切なんだと。
大人である私は、パラダピタでいうところの「完璧」は一部の人が考えるもので、絶対的じゃないものだとわかります。でも子どもは、大人がいう出来・不出来に悩み、人と比べて落ち込みます。ってここまで書いて、大人である私もそうだと感じます。むしろ大人だから、出来上がった概念をなかなか壊せないのかもしれません。
誰かにダメだしされたとしても、この自分が好きだ。そう言える人でありたいと思う映画でした。
ロボットにも心があるということの現実感
ドラえもんとソーニャは「ロボット」です。忘れがちですが猫型ロボットです。そんな彼らが「僕たちにも心がある」って言います。このセリフに対して、素直に「そうだよなぁ」って思う自分に時代を感じました。
AIの進化をみるに、コンピュータにも心があるのでは、近い内に心を獲得するのでは、と思うとともに
そもそも心とは。私たちに心はあるのか。
という命題が現実味を帯びてきているように感じます。
自分自身の心だってその正体を突き止められない中、未来のロボットであるドラえもんやソーニャに「心」があることを、肌感覚として認められる、今はそんな時代だと思います。
そして心とは、プログラムした通りには動かない、予測できない、飼いならせないものなのかもしれない、とも感じさせられる、猫型ロボットの魅力がいっぱいでした。
タイムパラドックスを感じさせないストーリー展開
タイムツェッペリンも、パラダピアも、時間を旅します。
のび太たちを含め、登場人物すべてが「時間を移動できる」ことを共通認識として持っています。ここも前項同様に「当たり前」であり、違和感を感じさせません。
また、後半の怒涛の複線回収でも時間移動が重要なキーになるのですが、時間移動により問題を解決するわけではないところがとても好感が持てました。
時間移動はするけれども、あくまでも時間移動している主人公たちが「ほかの時間軸で体験したこと」をもとに「その時間軸での解決策」を模索する、というストーリーは全く違和感がなく、タイムパラドックスを感じさせない内容でした。
時間移動はするけれどもあくまでも主体はそのシーンのキャラクターたち、という構成は、タイムトラベルは万能の解決策ではないことの暗喩のようでもあり、興味深かったです。
エンディングでのソーニャの姿は、ソーニャの時間軸とのび太の時間軸がつながっていることを暗示させて、とても印象的でした。
まとめ
笑って泣けて、考えさせられる映画ドラえもん「のび太と空の理想郷(ユートピア)」。家族で春の思い出を作るのにピッタリな作品です。
大人のほうが泣くかも?タオルハンカチを持っていくといいと思います。
ご覧いただき、ありがとうございました!